
RCCMはCBT方式、つまりテストセンターのパソコンで受験する試験です。
技術士第二次試験のように、大きな会場に大勢が集まって一斉に手書きで解く形式とは、まったく違います。
最初に、いちばん驚かれるであろうことを書いておきます。
この試験は、筆記用具も腕時計も飲み物も持ち込めません。
私も1回目は、直前までそのことを知りませんでした。
今回は、試験の中身ではなく、その手前で慌てないための実務をまとめます。
当日の持ち物と流れから始めて、後半では申込と予約の話も書きます。
私は過去に、勉強とはまったく関係のないところで受験機会そのものを落としたことがあるからです。
なお制度に関する記述は令和8年度の受験の手引に基づいています。
会場ごとの運用には差がある可能性がありますので、詳細は必ず最新の案内でご確認ください。
その1:持ち物 ── 実は「ほぼ何も持ち込めない」
ここが、CBTで最も注意すべき点です。
手引には、こう明記されています。
受験会場へは、筆記用具などの私物持ち込みは一切認められません(腕時計、ペットボトルなども禁止)。
筆記用具も、腕時計も、飲み物も持ち込めません。
荷物はロッカーに預けることになります。
これが意味することを、具体的に整理します。
① 資料を見ながら書くことは一切できない
業務経験の記述も、記述式論文も、すべて頭の中にあるものだけで組み立てます。
だからこそ暗記が要る。
② 時間は画面で確認する
腕時計が使えないので、時間の管理は画面上の表示に頼ることになります。
普段から腕時計で時間を測って解いている方は、感覚が変わることを想定しておいてください。
③ 飲み物が飲めない
130分間、水分補給ができません。
試験前に済ませておく必要があります。
逆に、飲みすぎてお手洗いが近くなるのも困りますから、加減が必要です。
④ メモ用の筆記具は会場から貸与される
会場で必要な道具は貸し出されます。
試験が終わったら、紙とペンは受付に返却します。
なお、ハンカチなど身の回りのものの扱いは会場によって運用が異なる可能性があります。
気になるものがあれば、事前にプロメトリック社に確認しておくのが確実です。

その2:当日の流れ
私が実際に受けたときの流れを書きます。会場によって細部は違うと思いますので、参考としてご覧ください。
① 30分前には会場に到着する
受付に一定の時間がかかります。
余裕を持って着いておくのが無難です。
② 本人確認書類を提示する
運転免許証などの顔写真付き身分証明書を提示します。
手引にも「試験当日、顔写真付きの本人確認書類をご提示いただきますので、写真は不要です」とあります。
忘れると受験できませんので、これだけは絶対に確認してください。
③ 荷物をロッカーに預ける
上着のポケットに入っているものも含めて、身につけているものはすべて預けます。
④ 案内された席で受験する
パソコンの前に座り、画面の指示に従って開始します。
⑤ 終了後、貸与された紙とペンを返却する
これを忘れて帰ろうとしないよう、注意してください。
会場までのアクセスも、事前に確認を。
私の場合、駐車場が混む時間帯とそうでない時間帯がありました。
初めて行く会場なら、当日の交通事情も含めて余裕を見ておくのが安心です。
その3:130分の使い方
時間配分の考え方です。
試験A(問題Ⅰ+問題Ⅱ)
記述式の問題Ⅰと、択一の問題Ⅱです。
私は択一を先に片づけ、残りをすべて記述に充てました。
択一は過去問と同じ出題もあり、1時間ほどで終えて退出した年もあります。
試験B(問題Ⅲ+問題Ⅳ)
記述式の問題Ⅲと、択一の問題Ⅳです。
こちらも、私は択一を先に処理する派でした。
なぜ択一を先にするのか。
択一は「分かるか分からないか」で決着がつくため、時間が読めるからです。
先に終わらせておけば、残り時間をすべて記述に投じられます。
記述の途中で時間切れになる不安がないぶん、精神的にも楽です。
ただし、これは好みの問題でもあります。
記述で頭が冴えているうちに書きたいという方もいるでしょう。
過去問を解く段階で、ご自身がどちらに時間を取られやすいか把握しておいてください。
CBTならではの利点も活かす
CBTには書き直しが自由という利点があります。
手書きなら消しゴムが要るところを、キーボードなら文章を後から入れ替えられます。
ですから、まず骨組みを打ち込み、後から肉付けするという進め方ができます。
最初から完璧な文章を書こうとせず、書きながら整える。
この発想でいくと、途中で詰まっても全体が崩れません。
その4:試験Aと試験B、日程をどう組むか
RCCMは試験A(130分)と試験B(130分)の2つを受験します。
手引によれば、同じ日に両方受けることも、別々の会場・日時で受けることも可能です。
私は2021年も2025年も、2週間ほど空けて受験しました。
理由は単純で、試験Aが終わってから試験Bの追い込みができるからです。
同日にまとめると、移動が1回で済むという利点はあります。
ただし130分の試験を2本、集中力を保って解くのは相当な負荷です。
しかも、試験Aの手ごたえが悪かった場合、その状態のまま試験Bに臨むことになります。
私は分けることをおすすめしますが、遠方の会場まで足を運ぶ必要がある方は、事情が変わるかもしれません。
ご自身の状況で判断してください。

その5:申込は2段階。私はここで1年を失った
ここからは、来年以降に受験される方に向けた話です。
今年の申込はすでに終わっていますが、この工程でつまずくと、勉強の成果が一切関係なくなります。
先に、私の失敗をお話しします。
以前、私はRCCMの受験申込をWeb上で済ませ、クレジットカードで受験手数料を支払いました。
画面には手続き完了の表示が出て、決済完了のメールも届きました。
私は、それで申込が終わったと思い込んでいました。
ところが実際には、申込書を印刷して、署名・捺印し、会社の証明を受けたうえで、郵送するという工程が残っていたのです。
すっかり失念していました。
結果として、私はその年、受験できませんでした。
支払った手数料は払い戻しになりましたが、失ったのは1年です。
お金を払うと、人は「済んだ」と感じます。
その感覚が、そのまま落とし穴になります。
だからこそ、確認していただきたい。手続きは2つに分かれています。
① 受験申込 ── 建設コンサルタンツ協会へ Web申請システムで申込書を作成し、受験手数料を支払います。そのうえで、送られてきた申込書(3枚一組)を印刷し、本人の署名・捺印と会社の証明を受け、添付書類とともに簡易書留で郵送します。
② 受験予約 ── プロメトリック社へ 試験を受ける会場と日時を予約します。
支払いは、①の途中経過にすぎません。
郵送して、書類に不備がなく受理されて、はじめて申込が完了します。
そのうえで②の予約をして、ようやく受験できる状態になります。
しかも、郵送には期限があります。令和8年度の場合、受験申込書の提出期限は6月10日(消印有効)でした。
Web申請書の作成期限は同日の15時ですが、書類に不備があった場合の再提出も同じ締切とされています。
余裕をもって送らないと、不備の連絡を受けても間に合いません。
私のような失敗をしないために、決済完了メールを受け取ったら、そこで気を抜かず、すぐ印刷と郵送の準備に取りかかってください。
予約は「60日前の午前0時」が勝負
ここが実務上、最も重要なポイントです。
しかも、多くの方が知らないまま出遅れています。
受験予約は、希望日の60日前から可能になります。
逆に言えば、それより前には予約できません。
そして手引には、こう書かれています。
CBT試験はRCCMのみでは無く、他にも多くの試験が同時に実施されます。申込日が希望する受験日に近づくにしたがって、希望どおりの予約ができない可能性が高くなります。
CBT会場は、RCCM専用ではありません。
他の資格試験と席を取り合うことになります。
問題は、この「取り合い」が想像以上に激しいことです。
私の実体験:1分で全枠が消えた
令和8年度、私は沖縄の会場で予約を取ろうとしました。
沖縄は会場数が限られているうえに、開催日数そのものが少なく設定されていました。
これは想定していたので、私は予約開始日の午前0時にパソコンの前で待機しました。
結果として予約は取れました。
ただし、その直後、1分と経たないうちに全枠が埋まりました。
つまり、こういうことです。
予約開始は、その日の午前0時。
日中に「そろそろ予約しようか」と考えていては、間に合いません。
これは沖縄に限った話ではないと思います。
会場数が限られる地方ほど、この傾向は強く出るはずです。
都市部でも、人気の時間帯や土日は同じ状況になり得ます。
60日前の日付を確認し、その前日の深夜に予約する。
これが、地方で確実に席を取るための現実的な方法です。
埋まっていても、諦めるのは早い
「予約開始に間に合わなかった」「希望日がどうしても合わない」という場合、どうするか。
試験会場運営会社に、問い合わせてみるという手があります。
私は実際にそうしました。
沖縄会場の開催日が少なく予約変更ができない状況を伝え、開催日を増やせないか、そして増えた場合には沖縄の受験者に案内してもらえないかを要望しました。
あわせて、午前0時に予約したものの1分以内に埋まったこと、複数の試験で枠の取り合いが起きていると考えられることも、事実として書き添えました。
令和8年度については、この後に追加の開催日が設定されたという経緯があります。
ただし、同様の対応が得られるとは限りません。
会場の空き状況や他試験の予定によって事情は変わります。
期待して待つのではなく、あくまで打てる手のひとつとしてお考えください。
それでも、ここから分かることが2つあります。
ひとつ目。
需要が伝われば、開催枠が増える可能性がある。
会場側も、埋まっている状況が分からなければ動きようがありません。
声を上げることには意味があります。
ふたつ目。
問い合わせは、具体的に書くほうが伝わる。
「予約が取れません」だけでなく、いつ・どういう状況で・どう埋まったのかを事実として伝えること。
そして「開催日を増やしてほしい」「増えたら周知してほしい」と、要望を明確にすること。
感情的に苦情を言うのではなく、状況の報告と改善提案として書くのがよいと思います。
問い合わせ先は、試験会場の運営会社(プロメトリック社)のカスタマーサービスです。
受付時間は平日の日中ですので、勤務の合間に電話するか、ウェブの問い合わせフォームを使うことになります。
予約画面が埋まっていることと、受験できないことは、イコールではありません。
ここは覚えておいてください。
書類の準備は逆算して
受験申込には、卒業証明書などの原本が必要です。
しかも「送付前1年以内に発行されたもの」という条件がつきます。
学校に取り寄せを依頼すると、日数がかかります。
会社の証明印(会社印と役職印の両方)も必要です。
申込期間に入ってから動き出すと、間に合わない可能性があります。
また、申込書は郵送前なら何度でも修正できますが、郵送後は一切変更できません。
修正すると申込書3枚の共通番号が変わるため、必ず最新版を3枚すべて印刷し直して送る必要があります。
番号が混在していると受理されません。
ここは地味ですが、つまずくと受験そのものができなくなる部分です。
まとめ:チェックリスト
当日
- 30分前に到着する
- 本人確認書類(顔写真付き)を持つ。忘れると受験できない
- 身につけているものはすべてロッカーへ
- 終了後、貸与された紙とペンを返却する
前日まで
- 会場までの経路と所要時間を確認する
- 腕時計なしで時間感覚を掴む練習をしておく
- 水分は試験前に済ませる想定で組み立てる
来年以降の申込・予約
- 決済完了=申込完了ではない。申込書を印刷し、郵送する(最重要)
- 卒業証明書等の原本を、余裕をもって取り寄せる(送付前1年以内発行)
- 会社の証明印(会社印+役職印)を確保する
- 申込書は最新版を3枚すべて印刷して郵送する
- 不備連絡に備え、締切より早めに投函する
- 希望日の60日前がいつか計算しておく
- その前日の深夜(午前0時)に予約する。地方は1分で埋まることがある
- 埋まっていたら、会場運営会社に問い合わせてみる
- 試験AとBの日程を、分けるか同日にするか決める
試験の中身とは関係のない部分で失点するのは、もったいない話です。
ここは準備すれば確実に防げます。
技術は、あなたのなかにすでにあります。
足りないのは、それを答案という形に翻訳する型と、どこに時間を使うかの見極めだけです。
このシリーズで書いていくこと
本記事を第1回として、RCCM試験について次の内容を順に書いていきます。
- 第1回:RCCMは技術士の勉強だけで受かるのか|合格した年と、1〜2点差で落ちた年の違い
- 第2回:RCCM試験の全体像|4つの科目のうち、どこで差がつくのか
- 第3回:技術士の学習が効くのは問題Ⅲ、効かないのは問題Ⅳ-2
- 第4回:問題Ⅲの攻略|技術士の型をそのまま持ち込む
- 第5回:問題Ⅰ(業務経験)の暗記術|「流れ」を覚えて自分の言葉で埋める
- 第6回:CBT試験当日の実務|受付・持ち物・時間配分(本記事)
- 第7回:RCCMの先に技術士を置く|順序を逆にすると二度手間になる
合格した経験だけでなく、落ちた経験も含めて書きます。
そのほうが、これから受験される方の役に立つと思うからです。
技術は、あなたのなかにすでにあります。
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【公式LINEで配布しています】
■ 論文セルフチェックリスト20
技術士 必須科目Ⅰ向けに作った点検表です。
このシリーズで書いてきたとおり、RCCMの問題Ⅲと
必須科目Ⅰは論文の骨格が同じですから、
問題Ⅲの骨子づくりにもそのまま使えます。
観点を先に述べているか。課題と解決策が
二度書きになっていないか。20項目で点検できます。
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ご質問があれば、そのまま返信してください。
私が直接お返事します。
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※本記事は筆者個人の受験経験と、令和8年度の受験の手引に基づいて作成しています。特定の団体の公式見解を示すものではありません。会場ごとの運用や、試験の日程・手続きは変更される場合があります。持ち込み可否や当日の流れについては、必ず実施機関および試験会場運営会社の最新案内をご確認ください。
技術士(建設部門)|沖縄在住の建設コンサルタント/ビジネスコーチ。2部門合格の経験をもとに、地方で働く技術者の資格取得と、輝くキャリアづくりを伴走支援しています。


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