夜明け前の机に置かれた、何度も手にした跡のある原稿

2026年9月、RCCM試験Aを受験しました。

RCCMの問題Ⅰは、業務経験を記述する問題です。

当然ですが、持ち込みは一切できませんので、書く内容を頭に入れて会場に行くことになります。

今回、私は経験論文の作成にAIを使いました。

文章としては、破綻のないものができました。

作成にかかった時間も短く済みました。

それなのに、覚えられなかったのです。

前日の夜に頭がパンク寸前になり、結局、当日の朝5時に起きて詰め込むことになりました。

この記事では、そこで気づいたことを書きます。

なお、暗記の基本的な考え方については問題Ⅰ(業務経験)の暗記術に書いています。

そちらが基本の解説で、この記事は、そのやり方をAIと組み合わせて失敗した実録だと思ってお読みください。

原因を、AIだけに求めることはできません

先に、正直に書いておきます。

覚えられなかった原因を、AIだけのせいにはできません。

  • 暗記を始めたのが、2〜3日前でした
  • 前日の夕方から夜に、まとめて詰め込もうとしました
  • 当日の朝も追い込んでいました

準備期間そのものに、余裕がありませんでした。

やり方の問題以前に、着手が遅かったのです。

ここは認めるしかありません。

以前の記事で、私は「2日あれば形になる」という趣旨のことを書いています。

今回はその見積もりが甘かったということでもあります。

過去に書いた目安では足りない場合がある、と訂正しておきます。

そのうえで、それだけでは説明がつかない感覚もありました。

音読してみると、自分では使わない言い回しで、何度もつまずくのです。

読んでいるのに、頭に残らない。

他人の文章を読んでいる感覚が、最後まで抜けませんでした。

私の場合、文章を整える作業と、自分で説明できるようにする練習が、分かれてしまっていたのだと思います。

音読で分かること、分からないこと

伏せて置かれた原稿と、何も書かれていないメモ用紙

今回やってみて、音読には確かな効果がありました。

声に出して読むと、てにをはの違和感、接続詞の不自然さ、論理の飛びが見つかります。

目で追っているときには気づかなかったものが、口に出すと引っかかります。

AIが作った文章を自分のものにしていく作業として、ここは有効でした。

ただ、限界もありました。

すらすら読めることと、見ずに思い出せることは、別です。

何度も読んでいると、読めるようになります。

そして「覚えた」と錯覚します。

ところが原稿を閉じた瞬間、出てこない。

今回、私が陥ったのはこの状態でした。

学習研究の分野では、繰り返し読むことより、記憶から取り出す練習のほうが、長期的な保持につながるという結果が報告されています(Roediger & Karpicke, 2006)。

RCCMの合格効果を直接調べた研究ではありませんが、読むことと思い出すことは違う、という点は実感と一致します。

見ずに説明する、10分の練習

そこで、次に受けるときはこうしようと決めた手順を書いておきます。

時間配分は私が決めた目安で、この設定自体の効果が確かめられているわけではありません。

ご自身に合わせて調整してください。

手順やること目安
① 骨子を確認目的・問題・自分の判断・結果を確認する2分
② 原稿を閉じる見ずに、自分の言葉で説明する2分
③ 照合する抜けた事実、説明できなかった部分を確認する3分
④ 言い直す詰まった部分を短く書き直し、もう一度説明する3分

大事なのは②です。

原稿を閉じる、という一手間があるかどうかで、練習の性質が変わります。

そして、翌日にもう一度、原稿を見ずに出てくるか確かめてください。

当日に言えたことが翌日に消えていることは、よくあります。

④で「短く書き直す」としているのにも理由があります。

詰まった箇所は、たいていAIの言い回しが残っている場所です。

自分が普段使う言葉に置き換えると、次からは引っかからなくなります。

AIの使いどころは、順番で決まる

今回の失敗を踏まえて、順番を変えようと思っています。

私がやったのは、AIで文章を作ってから、あとで手を入れる流れでした。

これだと、土台がAIの言葉のままになります。

次は逆にします。

先に自分の言葉で骨子を書き、自分の言葉で文章にしたうえで、AIに整えさせる。

こうすれば、土台は自分の言葉のままです。

AIには、表現の重複を削ったり、字数を調整したりといった仕上げを任せます。

もう一つ。AIに質問させる使い方も有効だと感じました。

この経験論文に対して、試験官の立場から質問を5つ出してください。

答えられない質問が出てきたら、そこが理解の浅い部分です。

覚える前に、そこを埋めておくほうが早いと思います。

資格試験以外でも同じです

この「読める」と「見ずに説明できる」の差は、RCCMに限った話ではないと思っています。

技術士の口頭試験、面接、社内のプレゼン。

資料を見れば話せるが、資料を閉じると詰まるという経験は、多くの方にあるはずです。

AIで資料を作る機会が増えるほど、この差は広がると感じています。

できあがった文章の完成度と、自分がそれを再現できるかは、別に確認する必要があります。

ただし、実際の試験には、その試験なりの答え方があります。

ここで書いたのは、あくまで記憶に定着させるための練習です。

答案の形式そのものは、別に練習が要ります。

私の次に受ける方へ

印刷された文書を見ながらノートに手書きで書き込む手元

3つにまとめます。

1つ目。着手を早める。

私は2〜3日前からで足りませんでした。分量にもよりますが、もっと前から始めてください。

2つ目。原稿を閉じて、説明してみる。

読めるようになった段階で止めず、見ずに出てくるかを確かめてください。1回10分で試せます。

3つ目。順番を、自分の言葉が先、AIが後にする。

土台が自分の言葉なら、詰まる箇所が減ります。

今回は苦労しましたが、次に活かせることは見つかりました。

同じところでつまずく方が、一人でも減れば幸いです。



ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

RCCMの勉強法について、
「自分の場合はこうだった」という話があれば、
公式LINEから聞かせてください。
私が直接お返事します。

なお、RCCMの先に技術士を考えている方へ。
公式LINEでは、技術士第二次試験に向けた資料を
2つ配布しています。

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【免責注記】 ※本記事は筆者個人の受験経験に基づいて作成しています。記載した練習手順は筆者が設定した目安であり、その効果が実証されたものではありません。特定の学習方法の効果や合格を保証するものではありません。試験制度・会場運用は変更される場合がありますので、詳細は実施機関の最新案内をご確認ください。 ※無断転載・再配布を禁じます。 © Okinawa-ichi, All rights reserved.

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