An early morning window with soft dawn light entering a quiet room, a closed notebook and pen resting on the desk, empty tea cup, sense of a task completed and a new beginning, calm and hopeful atmosphere, photorealistic, cinematic lighting, warm gentle morning colors, no people, no text, 16:9

技術士第二次試験、本当にお疲れさまでした。

長い準備期間、仕事と勉強の両立、家族との時間の調整

——ここまで走り抜けてきたご自身を、まずは思いきり労ってください。

今夜くらいは、好きなものを食べて、ゆっくり休んでいいと思います。

ただ、その前に。

あと1〜2時間だけ、頑張ってほしいことがあります。

それが「再現論文」の作成です。試験会場で書いた答案を、記憶が新しいうちに自分の手で復元しておく作業です。

「え、試験終わったのにまだ書くの?」という声が聞こえてきそうです。

私も受験生のとき、同じことを思いました。でも断言します。

これは義務ではなく、未来の自分への贈り物です。

この記事では、その理由と具体的なやり方をお伝えします。

読み終わる頃には、きっとPCを開きたくなっているはずです。

なぜ「今日」なのか——記憶は想像以上に早く消える

再現論文とは、試験本番で書いた答案の内容を、できるだけ忠実に書き起こしたものです。

ポイントは、作成のタイミングにあります。

試験直後の今、あなたの頭の中には、答案の構成、書いた課題、選んだ解決策、時間が足りず削った内容までが、まだ鮮明に残っています。

ところが、この記憶は驚くほど早く薄れます。

これは根性や記憶力の問題ではなく、脳の仕組みの問題です。

心理学者エビングハウスの「忘却曲線」という有名な研究があります。

人が新しく覚えた情報は、わずか1時間後には約半分、1日後には7割前後が思い出せなくなる

——つまり、忘却は学習直後にもっとも急激に進むことが実験で示されています。

この研究は無意味な音節を使ったものなので、試験答案のような意味のある記憶はもう少し長持ちしますが、「時間が経つほど、急速に思い出せなくなる」という原則は同じです。

逆に言えば、忘却曲線には希望もあります。

記憶が新しいうちに一度アウトプットしておけば、記憶は強く定着し、後からでも引き出せるようになるのです。

再現論文とは、まさにこの「忘れる前の一回のアウトプット」に他なりません。

今日なら8割以上再現できるものが、1週間後には骨子すら曖昧になり、1か月後には「何を書いたか思い出せない」状態になります。

勝負は、脳が忘れ始める前の今日なのです。

私自身、1回目の受験のとき、疲れ果てて再現を後回しにしました。

数週間後に思い立って書こうとしたときには、選択科目の後半がほとんど思い出せませんでした。

あのときの「しまった」という感覚は、今でも覚えています。

2回目の受験からは、試験当日の帰りの時間からスマホに骨子を打ち込むようにしました。この差は、後で必ず効いてきます。

やり方はシンプル——完璧を目指さなくていい

再現論文の作り方に、難しいルールはありません。

理想は、試験当日から数日以内に、PCで全文を打ち込むことです。

答案用紙と同じように、設問ごとに章立てして、書いた文章をできる限り忠実に再現します。

ただ、全文が難しければ、骨子やメモ書きだけでも十分に価値があります

「設問1で挙げた課題は3つ、①〇〇、②〇〇、③〇〇」「最重要課題は〇〇にして、解決策は〇〇を書いた」

——この程度の粒度でも、後から見返せば記憶を引き出す鍵になります。

もう一つ大事なのは、なるべく全問題を再現することです。

手応えのあった問題だけでなく、うまく書けなかった問題こそ再現してください。理由は次の章でお話しします。

再現論文がもたらす4つのメリット

面倒に感じるこの作業には、それだけの見返りがあります。

1つ目は、口頭試験の質問材料になることです。

筆記試験に合格すると、次は口頭試験が待っています。

口頭試験では、筆記で書いた答案の内容について質問される可能性があります。「

あなたは解決策として〇〇を挙げていましたが、その理由は?」と聞かれたとき、自分が何を書いたか思い出せなければ、答えようがありません。

再現論文は、口頭試験対策の出発点になります。

2つ目は、合否発表後の評価分析ができることです。

成績通知で自分の評価が分かったとき、再現論文があれば「この答案でこの評価だったのか」という答え合わせができます。

これは合格でも不合格でも、得がたい学びになります。

3つ目は、来年以降の最強の教材になることです。

万が一結果が振るわなかった場合、自分の再現論文ほど価値のある対策資料はありません。

どこが足りなかったのかを具体的に分析できるのは、答案が手元にある人だけです。

4つ目は、自分の長所と短所が客観的に見えることです。

時間を置いて読み返すと、自分の文章の癖——論理の飛躍、根拠の薄さ、逆に強みである構成力など——が驚くほどはっきり見えます。

これは試験対策を超えて、技術者としての文章力そのものを磨く材料になります。

余裕があれば——問題文の「出典」を探してみる

再現が終わって、もし気力が残っていたら、もう一歩踏み込んでみてください。

今年の問題文の出典を探すのです。

技術士第二次試験の問題は、国土交通省の白書、審議会資料、最新の施策などを下敷きに作られていることが少なくありません。

「あの問題は、この資料が元ネタだったのか」と分かると、出題者の意図が見え、口頭試験での受け答えに深みが出ます。

来年度以降の勉強でも「どの資料を読むべきか」の精度が格段に上がります。

最後の仕上げ——「今の気持ち」を書き残す

そして、すべての最後に、ぜひやってほしいことがあります。

今日の感想文を書くことです。

試験会場の空気、問題を開いた瞬間の手応え、時間配分の反省、「ここをもっと勉強しておけば」という悔しさ、やり切ったという達成感——こうした生々しい感情は、時間が経つと必ず忘れます。

でも、この記録こそが、将来のあなたを助けます。

来年再挑戦するときの原動力になり、合格後に後輩を指導する立場になったとき、「受験生のリアルな気持ち」を思い出させてくれる、何よりの資料になるのです。

私が今、受験生の方に寄り添った発信ができているのも、当時の記録が残っているからです。

今日やることチェックリスト

  • 骨子だけでもいいので、全問題の再現をPC(またはスマホのメモ)に打ち込む
  • 可能なら数日以内に全文を復元する
  • 問題文の出典になりそうな国交省資料を探してみる(余裕があれば)
  • 試験当日の感想・反省・気持ちを書き残す
  • 合格発表や口頭試験の日程を日本技術士会の公式サイトで確認しておく(例年、筆記の合格発表は秋頃、口頭試験は冬頃に行われます)

まとめ——未来の自分は、今日のあなたに感謝する

試験が終わった今日は、間違いなく休んでいい日です。

でも、たった1〜2時間の再現作業が、口頭試験で、来年の挑戦で、そして技術者としてのこれからで、必ずあなたを助けます。

記憶が消える前に。今日のうちに。

未来のあなたは、今日のあなたに感謝するはずです。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

再現論文を作ってみたら、公式LINEで気軽に見せてください。

同じ試験を通ってきた者として、率直な感想をお伝えします。

「これで大丈夫かな」という不安も、一人で抱え込まず、ぜひ聞かせてくださいね。

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再現できたら、次は「答え合わせ」を

再現論文が書けたら、ぜひやってほしいことがあります。

自分の答案と、模範解答を並べて読むことです。

自分の書いた論理展開と、合格レベルの論理展開。
この2つを並べたとき、初めて「何が足りなかったのか」が
具体的な言葉で見えてきます。

「知識が足りなかった」ではなく、
「課題設定の観点が1つ少なかった」
「解決策の根拠に出典を示せていなかった」
というレベルまで分解できるのです。

これは、口頭試験の準備でも、来年度の対策でも、
そのまま使える気づきになります。

私が令和6年度の問題を題材に作成した模範解答と想定問題を、
noteで公開しています。国土交通省の公開資料に準拠し、
ロジックの骨子から解説しています。

模範解答・想定問題はこちら(note)

もちろん、私の解答が唯一の正解ではありません。
ただ「合格答案はこういう構造で書かれている」という
一つの型として、比較材料に使っていただければ嬉しいです。

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再現論文と見比べることで、合格答案の構成や論理展開が分かります。

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